• アンティークジュエリー
    数百年の時を越え、なお洗練さを醸し出す 奥深いアンティークジュエリーの世界観

    時代ごとの文化や歴史背景を垣間見ることができ、身に着けた人たちの人生や、作った職人の思いなど、想像力をかきたてるアンティークジュエリー。時を越え、国境を越えて、私たちに多くのストーリーを語りかける。

     

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    アンティークジュエリーの条件

    「アンティーク」と判断される定義は、主としてジュエリーが作られてから100年以上経っていること。主にヨーロッパやアメリカで作られ、骨董的な価値を持つものをアンティークジュエリーと称します。18世紀初期のイギリスを中心にした約200年間は、宝飾史上最も繁栄を極め、ジュエリーで使われている素材や技法が出揃ったといわれています。歴史を感じる1点1点から、新しいものにはない、独特な風合いや趣を感じることができます。

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    王侯貴族の装飾品を手にする贅沢

     職人や着ける人の思いを反映させた、個性と主張を漂わせているアンティークジュエリー。ジュエリーが王侯貴族たちの装飾品であった時代、贅の限りを尽くし、メッセージが込められたジュエリーが数多く作られました。また、人から見えない部分や目立たない所に圧倒的な手間をかけているので、裏面をじっくり観察すると作り手の探究心をのぞくことができます。華麗な銀や金の装飾は、神業ともいえる繊細なディティールを描き、職人たちがその腕を競いました。

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    現代のファッションになじむ普遍的な美しさ

     貴金属や宝石はもちろん、樹脂、陶器、貝、ガラスなど、様々な材質を使ったジュエリー作りを特徴とし、それらを加工できる高度な技術とセンスを持ち合わせていました。今より道具が揃っていない時代でありながら、現代では再現することさえ難しい特殊な技法を施した作品は、時代を越えて多くの人を魅了。100年前のデザインであっても、今のスタイルに不思議と馴染む普遍的な美しさこそ、価値のあるジュエリーといえます。

     

     

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    アンティークジュエリー

    アンティークジュエリー

    (写真) SHELLMAN シェルマン

     ジョージアン(1714年頃−1837年頃)素材不足を加工技術とデザインでカバー希少な金を使ったジュエリーたち

    イギリス国王としてジョージ1世が即位した1714年からヴィクトリア女王即位までをさす「ジョージアン時代」。金の産出が少ない時代において、素材の魅力を最大限に引き出した繊細な金細工が特徴的。薄い金をドーム型に曲げて繋ぎ合わせた“ジョージアン・チェーン”は代表的な作品。ボリュームのある見た目だが、実際には軽く、強度性に優れ、精密なデザインワークに圧倒される。

     

    ヴィクトリアン(1837年頃−1901年頃)繊細かつ上品なジュエリーから感じる大英帝国の華やかな世界

    ヴィクトリア女王が即位し、大英帝国が最も繁栄を極めた時代。裕福な中産階級が増え、ゴールドラッシュで金の価格が下がったことでジュエリーの生産量も一気に増加。金に銅や銀を混ぜたカラーゴールドを作りだし、細い金線を用いたカンティーユ細工やレポゼなど繊細なデザインから華やかな世界が感じられる。また、女王が愛好したカメオをはじめエナメルを使った彫金技術のジュエリーなど、過去の様式も取り入れながら、バラエティに富んだデザインと贅沢な宝石使いに彩られた作品が充実している。

     

    エドワーディアン(1901年頃−1914年頃)精密なプラチナジュエリーが誕生ダイヤモンドの人気も高まる

    イギリスのアンティークジュエリー史で重要な「エドワーディアン」。ヴィクトリア女王が死去し、エドワード7世の即位から第1次世界大戦が終わるまでの期間を指す。プラチナを使ったジュエリーが生み出された時期だが、まだ産出量が少なかったため、表面はプラチナ、裏面はゴールドのジュエリーが多い。またダイヤモンドの流通が増えたことで、人気が高まり、プラチナの特性を活かしたセッティングや、細かいミル打ちの技法もこの時代を象徴。エレガントでシンメトリーなデザインが貴族たちに愛された。

     

    アールヌーヴォー(1895年頃−1910年頃)独創的なイマジネーションがなフォルムのジュエリーを生み出す

    フランス語で“新しい芸術”を意味するアールヌーヴォー。ヨーロッパを中心に隆盛した芸術運動を背景に、これまでの高価なジュエリーとは違う、個性とスタイルを重視したジュエリーがブームに。素材もガラスや変形の真珠、鋼鉄を使い、独創的なデザインを追求。植物や昆虫、蝶などのモチーフを流れるような曲線で表現した、イマジネーション豊かなジュエリーが時代を彩った。

     

    アール・デコ(1920年頃−1930年頃)華やかさの中に力強さを感じる実用性のある素材とデザイン

    20世紀の新時代において、インスピレーションの源が多様化。直線的で幾何学モチーフが多用され、古代エジプト美術の装飾模様やアステカ文化の装飾、日本や中国の東洋美術など、多岐に渡ったデザインに影響を受け、色彩のコントラストがはっきりとしたジュエリーが誕生。オリエンタルな雰囲気をもつものから、シャープでスタイリッシュなジュエリーまでと幅広い。華やかさの中に力強い存在感をもつ、独特なテイストに満ちあふれている。

     

    アンティークジュエリーの世界観 書籍掲載ページ

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